鉛の弾に蝶の翅

音楽好きによる雑記ブログ

2018.4.21 横尾忠則の冥土旅行

RSDと同じ日に、神戸の横尾忠則現代美術館で「横尾忠則の冥土旅行」という特別展を観てきました。

午前中に梅田ディスクユニオンに行って、昼頃に電車で神戸に向かいました。

地味に兵庫県に行くのは初めてでした。

灘駅で降りてしばらく歩くと着きました。横尾忠則現代美術館はすごくキレイでした。

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中に入って作品を見て、その大きさにまず圧倒されました。横尾忠則って僕の中では独特なデザインのポスターを手がけている人という印象が強かったので、ポスターサイズの絵が額縁に入れられて展示してあるのかなーと思っていましたが実際は違いました。

キャンバスに真っ赤な絵の具がどかーんとハジけたような巨大な作品を見てかなり驚いたし感動しました。しかもガラス越しとかじゃなくて、むき出しで壁に掛けてあるんですよ。絵の具の凹凸や筆遣いの跡が至近距離で見られるのは美術館の醍醐味だと思います。ネットの画像や画集はどう頑張っても結局は平面上の粒の集まりでしかないわけで、やっぱり生で見る絵画作品には敵わないですよ。

一点撮りではなく風景としての写真撮影ならOK、とのことだったので少し写真撮りました。

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油彩画にそのまま写真の切り抜きをコラージュしたやつもありました。

あと、January から Decemberまで12の連作になってるオフセット印刷の作品があったんですけど、これも良かったです。

3階の展示は「顔の無い女性」みたいなモチーフの作品が多くて、これは割と最近の作品のようでした。女の人が笑ってる絵なんだけど、口元から上がトイレットペーパーとかヒキガエルとかで隠されてたり、「落下する女」っていうやつで、胸元をはだけた女の人の絵なんですけど首から上だけ後ろを向いてて顔が分からなかったり。なんか不気味なんだけどエネルギーがあって見入ってしまいました。

そういえば岡本太郎がなんかの本で「のっぺらぼうは顔のパーツがひとつもないのに、強烈なパワーを持っている。何も無い、ということがかえってパワーを生んでいる、 これは透明な混沌というのだ」みたいなことを書いていましたが、横尾忠則の「顔の無い女性」の絵が持ってるパワーもこの「透明な混沌」に由来するものなんだろうか、などと考えました。

とにかく見応えのある展示だらけでした。5月6日までやっているそうです。ぜひたくさんの人に行ってほしいですね。

 

ちなみにこのあと京都に帰ってから何軒かレコ屋まわりましたが、やはりSuedeは発見できませんでした。無念。