鉛の弾に蝶の翅

音楽好きによる雑記ブログ

The Bethsというバンド

 最近はYouTubeエフェクターとか音楽機材の動画をしょっちゅう観ているのだが、よくおすすめに「Board to death 」というシリーズが出てくる。

これはエフェクターメーカーEQDの公式チャンネルがやってる機材紹介的な動画。色んなアーティストのツアー機材とか(主にペダルボード)をインタビュー形式で紹介している。

そのBoard to deathで、この間おすすめに出てきたのが「The Beths」というバンドに取材したやつだった。読み方は「ザ・ベス」でいいのかな?ニュージーランド出身のバンドらしい。

 


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知らない人だなぁと思いながら再生してたら、機材紹介の合間あいまに流れるライブ映像の演奏にやたら惹かれる。気づいたらMVなんかを見漁り、結果かなり好きになってしまった。

 

このバンド、まずとにかく曲が良い。底抜けにポップでキャッチーで、すぐにでも覚えて一緒に歌えそうなくらいメロがグッドなのだ。同時にバンドサウンドの瞬発力とパワフルさも併せ持っていて、キレのあるギターの音が人懐っこい歌メロをうまく引き立てていて気持ちいい。

さらにそこに大さじ1杯くらいのセンチメンタル。完璧だ。理想のバンドに近い。

 


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この曲とか最高。このパワーコードの問答無用右ストレート感好きすぎる。

ブリッジの "trying♫"  \トラーィン/っていうコーラスとか、\アァ~~フゥ↑~~!!!/のとことかライブで絶対叫びたくなるやつだ。

 

 

 


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最新アルバムからの2曲のライブ映像。「Silence Is Golden」疾走感あってかっこよすぎ!あと演奏上手いな。このリフ弾きながらよく歌えるな〜。

 

「Expert In A Dying Field」も良い。

しっとりめの曲でもギターが歪んでる(ついでにベースも歪んでる)ところに僕はThe Bethsの気概をみる。

 

先にも書いたけど、このバンドの良さはまず「歌心のあるポップネス」。それに「カッコいいバンドサウンド」、少し切ない「抒情性」。この辺にあると思う。

 


で、この特徴、似てますね。

何にって、僕の大好きな90年代スウェディッシュ・ポップの至宝、The Wannadiesに決まってるじゃないですか(決まってない)。

 


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ワナダイズも、とにかく曲のクオリティが高いバンドだ。どの曲にもちゃんとフックがあって、歌モノであることに迷いがないというか。

しかもそれでいてただのポップスって感じはしなくて、ざらついたギターの質感とか切れ味鋭い演奏にオルタナ・スピリッツをにじませてくるから本当に稀有なバンドだ。

 


ギターポップ/パワーポップバンドは世の中にいくらでもいるけど、純粋に曲(≒コードとメロ)だけ取り出してみて「最高!」って思うようなのって意外と少ない。そこそこ良い曲を最大公約数的ギターポップの音と演奏でやる「普通に良いバンド」はいっぱいいるんだけど。

(なんかこの辺のジャンルってインディーっぽい雰囲気作りさえ出来てれば曲はめっちゃ地味でも評価されがちな印象あるし……)

 

そんな中でこのThe Bethsとかワナダイズ。彼らみたいに、歌いたくなるグッド・メロディを生々しいバンドの音でバキーン!と鳴らすバンドにはやっぱりかなり惹かれるものがある。

 


まあとはいえ、ここまで書いといてなんだけどBethsがワナダイズにどのくらい似てるかとかは別にどうでもいいことだけどね。「ワナダイズっぽいから良い!」みたいなことでもないし、そもそも音楽性がものすごく似通っているわけでもなくて、違う部分も多いし。

僕は90年代のロックが特に好きだから、ついそっちを基準に考えてしまうのだ。何かと何かをいちいち比較するみたいな音楽の聴き方はあまりよろしくないですね。

 


ただ……なんというか、2010年代あたり以降の現在進行形の音楽シーンの中から、個人的にすごく好きなタイプのバンドを偶然発見できたのが嬉しかったというのはある。割と最近めの音楽だと、やっぱりトム・ミッシュとかハイエイタス・カイヨーテみたいなタイプの人たちをよく聴きがちになっていたので。

ロック系でピンとくるアーティストがあんまりいないし、新しい作品を能動的に探して聴く、みたいなこともそんなにしてない……。というここ数年の流れの中でBethsを見つけたことがラッキーだったというかね。「新たなる希望」という意味でこのバンドとの出会いは貴重だったと思う。

90年代にこだわらなくても良い音楽あるじゃん!ていう。新譜も出してるじゃん!ていう。それでつい昔からのお気に入りを引き合いに出してしまったわけだ。

 


一応言っておくとワナダイズも2020年に復活してて、ライブ活動はやっているみたい。ただ新曲を出したりはしてなくて、あくまで当時の作品を今も好きでいてくれる人のためにツアーをまわってるって感じっぽい(日本にも来てほしい)。

それでもめちゃくちゃありがたいことだけども。

 


The Bethsもまだ来日はしたことないみたいだけど、新譜をガンガン出しているこの感じだったら絶対そのうち日本でライブしてくれるはず!できればフェスじゃなく単独で!そのときは是非観に行きたい。

もうフィジカル音源も買ってしまうくらいハマっているのでマジでライブお願いします。


……なんか後半あたり変な言い訳みたいなものをつらつらと書いてしまって変な作文になったな。

まあThe Beths最高ですってことで。以上。