鉛の弾に蝶の翅

音楽好きによる雑記ブログ

2022.6.1放送 『水曜日のダウンタウン』感想

 

6月1日放送の『水曜日のダウンタウン』は1時間丸ごと一つの企画をやる特別編みたいな回だった。


前の週の次回予告が「オンエアまで詳細は明かせません!」みたいな謎めいたやつだったので楽しみにしていた。

 

しかし当日は寝落ちでリアタイできず……。

後でTVerで観た。

 


で、肝心の企画がネットで有名な「K.カズミ」の正体を探る、というもの。

K.カズミについては僕も以前から知っていて、「正体不明の巨大な女性」がいるらしい、というネット発の都市伝説的なものとして認識していた。

 

 


番組では「K.カズミ」本人が書き込んでいるYahoo!知恵袋の情報を引用しつつ、人間離れした怪力や大食いなど彼女の色々な武勇伝?的エピソードを紹介していて、後半では実際に彼女が打ち立てた大食い記録の残る飲食チェーン・サガミへの取材を取っ掛かりとして徐々に「K.カズミ」本人に近づいていく、という作りになっていた。

 


ネットで有名になってるとはいえK.カズミはごく普通の一般人なわけで、全国ネットのバラエティが一般人のプライベートを探るって大丈夫なんか?とちょっと思ったけど、放送されている以上は大丈夫だったんだろう、と少しハラハラしながらの鑑賞。

まぁ、この番組ではBPOを真っ向から挑発するような企画をいくつもやっているから今さらお行儀の良い内容を求めても仕方ないというのもあるし……。

 


で、最終的には、ネットで有名な「2m以上の長身で、怪力で、大食いのK.カズミ」は匿名の誰かさんがYahoo!知恵袋の中で作り上げた架空の存在で、その「偽K.カズミ」がいちエピソードとして披露した「サガミで蕎麦82段完食」という記録だけが本物、ということになっていた。

 


つまり、凄まじい量の蕎麦を食べてしまう女性は実在するんだけれどもその人は怪力でも巨体でもないごく普通の女の人で、サガミの大食い公式記録に名前を載せるときに本名をもじった「K.カズミ」という名を名乗った。で、元々それ以前から知恵袋で巨大女を騙っていた匿名の全く別人がサガミの大食い記録を偶然発見、ハンドルネームを変えて「K.カズミ」になりすますことでこの記録を自分のストーリーに組み込んだ、ということだ。

 


番組内で取材に応じた「本物のK.カズミ」さんはネット上の噂を知らなかったらしく、偽物に自分の名を騙るのをやめてほしいという意図から、初めてテレビに出ることにしたそうだ。

 

 

 

感想としては、面白かった。率直に。

オカルトチックな導入から始まって、少しずつネットベースの情報を離れていきリアルにおける「K.カズミ」の足跡を辿っていくっていう構成のワクワク感が半端なくて、「これは令和の特命リサーチ200Xだ」とすら思ったよ。

なんというか心霊とかUMAじゃなくて、ネット上に蓄積されたフォークロアを素材にして誰も観たことのない新しいオカルト番組をやってみました、みたいな印象を僕は持ったんだけどもその感じが新鮮だった。

検証のオチとか結論とか、どこからどこまで仕込みなのかとかは置いといて純粋に過程を楽しめたんで僕はそれだけで満足だ。

それにオチに関しても「虚構の存在の虚構のエピソードの中でひとつだけが真実だった」ていうのはいかにもそれっぽいし、よく出来てて面白いし。

いくらかの不気味さを漂わせつつ「これこの後どうなるんだ!?」ていう期待感を与えてくる感じがすごくあって楽しめましたよ。例えるなら浦沢直樹20世紀少年』の序盤くらいのワクワク感だった(例える必要あったか?)。

 


ただこれってK.カズミというネットミームを知らない人からしたらなんのこっちゃ?って感じだろうし、あと先述のとおり一般人の消息をここまで掘るのってさすがに下世話すぎるという意見もあるだろうし、検証結果にもいくつか疑問が残る点はあるので色々と物議を醸しそうな内容ではあった。というか実際醸してるみたい。おもになんGとかで。

 


個人的には知恵袋にいる「偽K.カズミ」の方にも接触してほしかったなぁというのと、巨体でも怪力でもない普通のおばさんが82段の蕎麦を平らげることが本当に可能なのかという新たな謎が生まれてしまったことと、本物のK.カズミへのインタビューが終わった後のなんか意味深なくだりとかが少し気になったけど、全体的にはかなり楽しめた。

 


まあ色々物議を醸す内容ではあったけどやっぱり水曜日のダウンタウンは「水曜日のダウンタウンにしかできないこと」をやっていると思うし、そもそも物議を醸すことが目的の愉快犯みたいな番組だからこれだけ話題になってれば水曜日的にはしてやったりという感じなのかもしれない。

 


とにかく僕個人としてはかなり楽しめましたよというだけの感想でした。